バンディットの思い出


四国お出迎えツーリング


この夏、兄貴が東京(千葉?)から広島の実家へ帰ってくる事になった・・・
向うでバイクの免許を取り、ちょくちょくツーリングにも出かけているらしい。
バイクはバンディット400。
長距離フェリーに乗って昼頃高知に着き、そこから各地を周りながら広島に帰ってくるとか。
四国ツーリング?・・・・行きたい!
自分のバンディット250はツーリング目的で買ったんだけど、まだ一度もツーリングに行ってなかった・・・
それならばと、高知で落ち合い2人でツーリングしようと言う事になる。

会社からテントを借り、着替えや雨具をバンディットに満載する。
出発は早朝、なれない作業は前日にやっておこう・・・
ツーリングマップでルートを模索する、念願のツーリング・・地図を見てるだけでも楽しい。

辺りがまだ薄暗い早朝、旅立つ息子を激励する母(大袈裟)に見送られ静かに走り出す。
まずは瀬戸内海を渡らなければいけない。
走り慣れた道はすぐに消え、見知らぬ県道を走り竹原港でフェリーに乗り込む。

初めての乗船手続き、バイクを誘導され隅っこにバンディットは固定された。
地図を取り出し、四国の波方港までしばし休憩・・・
ルートを確認しながら、噂に聞いたピースサインの出し方も考える。

到着のアナウンス・・・
バイクに跨り、四国の道に躍り出る。
何処にでもあるような道でさえ、広島とは違った雰囲気を思わせる。
今治を通過し11号線を走り西条市に入る。
ここから194号線を使って山越えをして高知を目指す。
地図を見ても容易に山深いルートであることが伺える・・・
西条で給油し、山越えの準備は完了!いざ194号に入る!!

加茂川沿いを15分も走らないうちに景色は一変した。
切り立った山が連なり川の水は淡いグリーン・・・案の定人気はない。
道はどんどん狭くなり、標高はぐんぐん上がる。
道はくねり、すれ違う車は1台も居ない・・・

道は更に険しくなり、右は強烈な崖、左は頭上まで迫り出す岩肌・・・
視界は霧と言うより雲の中に入ったかのように先が見えない。
不安はピークに達し、この先は行き止まりではないかと思えてきたその時、
前方からエンジン音!?
ベッドライトを点け荷物を満載したカタナが1台!
ライダーはすれ違い様にピースサインを出してくれた。
会釈しか出来なかった自分は、ピースサインの温もりを実感した・・・
とにかくこの道は続いているらしいので、安心して先に進んだ。

山頂付近のトンネルを抜け、南側の山裾を駆け下りる。
いつのまにか県境を越え高知県に入っていた。
下りに入ると、天候もよく気温もぐんぐん上昇してきた。
一抹の不安は解消され高知の街を目指す。
道路標識を頼りに直走るが、南国市の地名を観た時太平洋が近い事に気付く・・・

高知市内に入り、しばらくして高知港が見えてきた。
港はあるものの、フェリーの姿は見えない、東京からのフェリーが着くまではまだ時間がありそうだ。
近くの定食屋で昼ご飯でも食べようか・・・
店内に入り何気にカツ丼を注文する。
言葉を交わすウェイトレスの女の子のイントネーションが変だ?
これが土佐弁なのだろうか?こんなカワイイ顔して実は凄い酒豪なんだろうか??
そんなことを考えつつ、広島のそれとは違うカツ丼の味を楽しむ・・・

再び港に戻りフェリーの到着を待つ・・・
そろそろ到着予定なのだが、まだ見えない・・・あれ?
えらい遠くの方にフェリーらしき船影・・あれかな?
船の横っ腹に太陽のような向日葵のような絵が描いてある、来た来たあれがサンフラワー号だな。
しかし・・・船体は目で確認出来たがナカナカ港に近づかない?
いや、ちょっとづつ近づいているのかな??
フェリーの姿もはっきり確認出来るようになってきた・・・ほう〜来た来た・・・ん?
なんだ?ん??なに〜!?巨、巨大じゃ〜マジか!?

瀬戸内海を航行するフェリーとはスケールが違う!
太平洋ってそんなに荒波なのか?巨大すぎるぜ〜
港に接岸したサンフラワー号をまじまじと観察する・・・
船体中央部のデッキに人影が見える・・夏だと言うのにアーミーっぽいグリーンのコート・・・
煙草でも吸っているのだろうか?何やら殺気を感じる。
油断していたら狙撃されそうな雰囲気。奴は殺し屋か?いや、間違いない、あれが兄貴だろう!!
なぜがそんな気がしてならない。

何やら作業が始まり、横っ腹のハッチが開いた。
でっかいトラックが次々と飛び出し、乗用車がつづく・・・
最後にバイクがわらわらと出てきて、コートを羽織ったライダーはバンディットに乗って降りてきた。
紛れもなく兄貴だ。何年ぶりの再会か?兄貴がバイクに乗ってる所を見るのは初めてだ。
お互いのバンディットを確認し嬉しくなった。

大小のバンディットを並べて、今後のルートの打ち合わせをする・・・・

つづく
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